『海外の音楽風景』ストリート・スタイル編
イギリス・ロンドンの音楽風景から、セッション舞台に続き、ストリートパフォーマンスについて、その様子と路上演奏をおすすめしたいポイントをご紹介しています。
前回の記事では、路上演奏で自然と学べる事をご紹介しました。
ストリートパフォーマンスでよく見かけるのが、プロモーションですよね。
自分のオリジナルソングを披露したり、CDを売っている方も見かけます。
大勢の人たちが行き交う路上で演奏すると言う事は、それだけに多くの人から見られるチャンスなので、どんな出会いがあるか分かりません。
演奏の準備はもちろんのこと、宣伝する準備もしておきたいところです。
ロンドンの路上演奏は通行人と楽しむ場所
実は、日本のように路上でプロモーションする風景はロンドンにはありません。
ストリートパフォーマンスが、古くよりバスキングと呼ばれ、日常にある音楽風景として根付いているイギリス。
ミュージシャン達にとって、そこは周りと音楽を共有する場所であると言う認識が強いのです。
ですから、「通行人が良い1日を過ごせるような音楽を」と言う思いや、あるいは「通行人を巻き込んで一緒に歌って演奏ちゃえ!」くらいの勢いで、彼らは路上で演奏を披露しているのです。
以前に、オープンマイクセッションをご紹介した記事で似たような話しをさせて頂いた事があります。
自由に選曲して挑めるステージなのに、自分のオリジナルを披露するミュージシャンはほとんどおらず、客席の皆が一緒に歌えるようなカヴァー曲を演る人ばかり。
それはセッションだけでなく、ストリートでも同じなんです。
その理由は「その方が誰でも知っているから」と言う、それだけ。
オリジナル曲は自分のライブで、自分達のファンや興味を持ってくれている人達の前で演奏すればいい、そう思っているのです。
せっかく音楽をアピールできる場所なのに、もったいないと思うかもしれませんが、この意識ってとても素敵だと思うのです。
ストリートパフォーマンスが身近な理由
ミュージシャンは、最終的には自分の作った曲を、大勢の人たちに聞いて欲しいという事を目標にしていると思います。
しかし、それ以前に、音楽は皆で楽しむ事。誰かに演奏の興味を持ってもらえるその入り口がカヴァー曲であっても良いと思います。
むしろ、路上で自分の好きな曲が演奏されていたら、思わず立ち止まって聞きたくなりますし、一緒に歌って踊って楽しめますよね。
ロンドンのミュージシャン達は、音楽の自己アピールをする場所と、自己を控えて周りと共有する場所をはっきりと分けているのです。
そのスタイルこそが、古くから今日まで、バスキングという路上演奏文化が日常的に根付いている理由のひとつではないかと思うのです。
オリジナルで勝負するなら戦略を持って挑む
とは言え、日本では日本の受け方というのものがあります。
日本では、ストリートからスターになったアーティストも少なくはありません。
古くは80年代に原宿の歩行者天国で、多くのパフォーマー達が踊っていたという「竹の子族」から、90年代に横浜での路上演奏からスターになった有名アーティストをはじめ、今やストリートパフォーマンスでオリジナル性をアピールし、ファンを掴んでいくというスタイルは、日本では定着しつつあります。
その土俵で挑むならば、オリジナル曲を準備し、ストリートパフォーマンスを演る場所もしっかり考えた上で、挑戦してみるのも良いと思います。
今回は、あくまで、格好よく自然に路上で演奏する事としてご紹介していますが・・・
ぜひ、オリジナルとカヴァーの両面でトライしてみては如何でしょう?
次の記事では、おすすめのジャンルをご紹介します。
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