『海外の音楽風景』ミュージカルの本場、ウエストエンドとブロードウェイの違いとは?
前回の記事では、アメリカ・ニューヨークのブロードウェイと同様に世界最高水準の観劇街である、イギリス・ロンドンのウエストエンドをご紹介し、両劇場街について軽く触れさせて頂きました。
今回は、両劇場街の歴史に少しだけ迫りましょう!
ロックやクラシックの街ロンドンの「ウエストエンド」とは?
ロンドンのウエストエンド区域に現在40会場所在する、大劇場および劇場街を指します。
正式名称は、ウエストエンドシアターです。
ロンドンの金融街「シティ」から西側に位置する場所をざっくりと「ウエストエンド」と呼称します。
そのエリアで特に劇場と映画館の多いコヴェントガーデンやレスタースクエア周辺が、「ウエストエンドシアター」にあたります。
ウエストエンド最初の劇場設立は1663年ですが、イギリスの演劇歴史は更に古く、1576年には東ロンドンのショーディッチに、公共のシアターが設立されていました。
この会場含め、シェイクスピアの演目は古くから行われており、シェイクスピアを生んだイギリスだけあり、演劇がとても身近にあったことがうかがえます。
現在ウエストエンドにある劇場の多くは19世紀に建築されたものであり、個人所有の建物と言われています。
老朽化によるメンテナンス面の問題や、トイレ数が少ないことや座席の狭さなど新設会場に比べて劣る点も多いものの、そのビクトリア調の豪華な雰囲気と装飾もまた魅力。
歴史と演目を兼ね備えた商業演劇の最高峰として、世界各国から観劇に訪れる人が絶えません。
ジャズの盛んなニューヨークの「ブロードウェイ」とは?
ニューヨーク市マンハッタンのミッドタウンに位置するブロードウェイ周辺に、41会場所在する大劇場および劇場街を指します。
正式名称はブロードウェイシアター。
1857年に公開された「The Elves」という作品がブロードウェイ最初のロングランミュージカルと言われていますが、1900年代初頭までは劇場地は定着せず、ブロードウェイとして統合されたのは1920年~30年代にかけて多数の劇場が設立されるようになってから。
ロンドンの劇場街よりもずっと後だったのです。
1750年頃、アクターマネージャーのWalter MurrayとThomas Keanという人物が劇場会社を設立し、ニューヨークのナッソーSt.に280人を収容する劇場を作りました。
それまで、ニューヨークに主要な劇場の存在はなかったと言われています。
イギリスのシアターマネージャーWilliam Hallamは、1752年に12人のイギリス人アクターをアメリカに送りました。
彼らはバージニア州の劇場で「ヴェニスの商人」をはじめとするシェイクスピア作品で演劇を公開、翌年ニューヨークに移動します。
革命戦争による劇場の停止、再開の後、1800年代より数々の劇場設立や公演を生み出し続け、19世紀終わりにはオフ・ブロードウェイが定着。
20世紀に入り、ニューヨークに大劇場の設立が集中し、ブロードウェイとして確立されて行くことになります。
今や、舞台人を目指すアクターの目標としても挙げられる本場ブロードウェイ。
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次回の記事では、おすすめのミュージカル演目の中から、ロングラン作品をご紹介したいと思います。