話のタネになる!音楽雑学!―クラシックのおもしろ珍曲(その1)―
前回は珍しい楽器を紹介した「話のタネになる!音楽雑学!」、今回も話のネタになるようなものをご紹介します。
今回ご紹介するのは、「クラシックのおもしろ珍曲」です。
音楽の種類は様々ありますので、中にはとんでもない曲だってあるのです。
人間の発想力の賜物?と言うしかない曲たちを楽しんでみてくださいね。
クラシックのおもしろ珍曲
では早速クラシックのおもしろ珍曲をご紹介しましょう。
どれも普通の音楽の常識からは外れていますが、思わず笑いが起きてしまうこと間違いなしです。
2匹の猫の愉快な歌
最初に紹介するのはジョアキーノ・ロッシーニ作曲、「二匹の猫のふざけた二重唱」です。
ロッシーニといえば、「セビリアの理髪師」などを作曲したとても有名な作曲家ですが、実はこんなふざけた曲も作っていました。
この「2匹の猫の愉快な歌」はオーケストラと2人の歌手によって演奏される協奏曲なのですが、なんと歌の部分が全部猫の鳴き声となっているのです。
なので、最初から最後まで「ニャーオ」「ニャーオ」の掛け合いが続くかなりシュールな曲になっています。
ティンパニとオーケストラのための協奏曲
(動画は最後の部分を抜粋)
続いてマウリシオ・カーゲルが作曲した「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」です。
この曲は20分程度の曲で最後の方まで普通の曲なのですが、なんと最後にティンパニ奏者がティンパニに頭を突っ込むという演出がなされています。
これは楽譜の指示で、あらかじめ用意した突っ込む用のティンパニに破れやすい紙を引いて最後に突っ込むのだそう。
しかも、楽譜にははその突っ込む際の指定としてfffff(フォルティッシッシッシッシッシモ)というとんでもない強奏が指定されているので、ハチャメチャな最期を迎えることになります(笑)
フィナーレ
(異変が始まるのは20:25あたりから)
続いてもマウリシオ・カーゲルが作曲した「フィナーレ」という曲です。
25分程度の曲で初め聴いていると割と普通の曲なのですが、20分ぐらい演奏したところで、なんと指揮者が苦しみ出し、倒れてしまうのです。
実はこの曲、「指揮者が倒れる」というとんでもない指示が楽譜に書いてあり、倒れる展開からその後の周りの対応、そしてなんとも言えない雰囲気を含めてすべて曲となっています。
一見すると頭おかしい曲ですが、見てみると結構面白いので一回見てみてくださいね。
(ちなみに指揮者の倒れ方やその後の対応など、結構詳細に指示が書いてあるらしいです笑)
4分33秒
(最初の方に入っている音は楽器のチューニングの音)
最後はジョン・ケージが作曲した「4分33秒」です。
この曲は先ほどの3つの様なとんでも指示があるわけではないのですが、むしろ指示がなさすぎのが特徴です。
というのもこの曲の楽譜、3楽章構成なのですが、すべて「休み」とだけ記載されています。
つまり、演奏時間中ずっと音を「無音」の状態を作る曲なのです。
ジョン・ケージは、無音の中でも流れる不確実な環境音を演奏に取り入れたかったようで、実際に無音になることで今まで意識を向けなかった音が聞こえてきたりする面白さがあります。
とはいえ、奏者は入退場と楽章転換時以外一切音を出せないので、ある意味我慢が必要な曲でもあります(笑)
なお、「4分33秒」という名前は初演の際の時間からとられた通称です。
まとめ
クラシックのおもしろ珍曲をご紹介しましたがいかがでしたか?
とんでもない指示がある曲から、まったく音を出さない曲までいろんな曲がありましたね。
次回以降もこんな話のネタになる音楽雑学をご紹介しますので楽しみにしててください。