楽器をやりたい初心者のための講座 ―行進曲―
引き続き楽曲の種類をご紹介していこうと思います
今回のテーマは「行進曲」です。
吹奏楽コンクールでは、毎年課題曲になるなど日本でも親しみの深い行進曲。
知っておくと、音楽についてまた詳しくなれますよ。
行進曲とは
行進曲はマーチとも呼ばれ、歩く歩幅やスピードを合わせて行進するための音楽、またはそのような行進にインスピレーションを受けて作られた音楽です。
演奏会で披露されるモノから、軍隊の行進で使用されるものまでさまざまな曲があります。
歴史
昔から行進のための音楽はありましたが、オスマン帝国の人間がヨーロッパに来た際、軍楽隊が楽器を使って派手に行進したことでヨーロッパにも流行しました。
それ以降西洋の音楽理論や形式と合わさり、次第に洗練されて現在でも様々な用途で演奏されています。
日本では、1869年に薩摩藩が軍楽隊を結成したことで吹奏楽が広まり、その際に行進曲も演奏されていました。
このような軍楽隊が日本では演奏会も行っていたため、1939年に全日本吹奏楽コンクールが開かれるようになってから、毎年課題曲に行進曲が入るようになりました。
形式
行進曲は基本的に人の歩幅に合わせるために、4分の2拍子や2分の2拍子、8分の6拍子などの2拍子のリズムをとることが多いです。
また中間部でゆっくりとした音楽が挟まれることも多いため、形式的には主部→中間部→主部の再現部で3部形式をとることも多いですね。
ただし、有名な行進曲の中には再現部を省いている楽曲も存在します。
また種類として、軍の行進用や演奏会用はもちろん、結婚行進曲や葬送行進曲などもあるんですよ。
有名な曲
では、最後に有名な行進曲をご紹介しましょう。
行進曲は日本に良く根付いているのでどこかで聞いたことがある人も多いと思いますよ。
ジョン・フィリップ・スーザ「星条旗よ永遠なれ」
まずは行進曲で有名なスーザの作品から「星条旗よ永遠なれ」です。
CMなどで使われることも多く、行進曲の定番中の定番です。
現在でもクラシックからマーチングバンドまで数多くの場面で使用され、アメリカの演奏会では最後の曲の後にお約束のように演奏されることもあるぐらいです。
ヨハン・シュトラウス1世「ラデツキー行進曲」
続いては気品あふれる行進曲として有名な「ラデツキー行進曲」です。
作曲したヨハン・シュトラウス1世の作品でも最高傑作と呼ばれており、同時にクラシックの中も10本の指には入る有名曲ですね。
歴史背景的には、ヨーロッパの1848年革命で活躍したヨーゼフ・ラデツキー将軍をたたえた作品となっています。
フェーリクス・メンデルスゾーン「結婚行進曲」
最後は結婚式の定番曲、メンデルスゾーン作曲の「結婚行進曲」です。
結婚における行進曲はこの曲以外にもたくさんあるのですが、この曲は群を抜いて有名ですよね。
正式にはメンデルスゾーンが作曲した劇伴音楽「夏の夜の夢」の一部で、最初はそんなに有名ではありませんでした。
しかし、1858年にイギリスの王女ヴィクトリアとプロイセンの王子フリードリヒの結婚で使用されて一躍有名となり、結婚式の定番となったのです。
まとめ
今回は行進曲についてご紹介しましたがいかがでしたか?
一見自分たちと関係ないようで、実は生活に深くかかわっているのが行進曲でした。
実際に演奏してみると結構楽しいので、演奏する機会があればぜひ演奏してみてくださいね。