『海外の音楽風景』ロンドンのジャズセッション人気曲③
以前の記事にて、海外の音楽風景として、イギリス・ロンドンのジャムセッションの様子をご紹介させて頂きました。
今回は、ジャズセッションのレパートリー探しのひとつとして、ロンドンのジャズセッション会場で必ず一日に一度は耳にする、ロンドン人気の高い曲をご紹介させて頂いてます。
ジャズが好きな方なら誰でも知っている、有名な曲ばかりです。
海外ではこういう曲をセッションしてるんだ・・・という気持ちで、課題曲探しの参考にして頂けたら嬉しいです。
美しい典型ジャズ・ラブソング
今回はこちらの曲です。
”All the Things You Are”
Composed : Jerome Kern
Lyrics written : Oscar Hammerstein II
ジェローム・カーン作曲、オスカー・ハマースタインII 作詞によって、1939年にミュージカル「Very Warm For May」のために書かれた曲、「All the Things You Are」です。
1944年には同ミュージカルをベースとしたミュージカル映画「Broadway Rhythm」の作中にも登場し、現在まで、不朽のスタンダード曲として数多くのミュージシャンによって録音され続けています。
日本でもジャズ好きの方なら、この曲のファンは多いですよね。
とにかく、ロンドンのセッションでよく耳にする1曲です。
クールで大人なジャズ曲
その美しい詞とメロディーの人気もあり、ヴォーカルの名盤も多数存在しますが・・・
個人的には、この曲はインストの方がクールに格好よく決まると思っています。
歌詞の内容が情熱的なラブソングなので、歌中心のセッションの場合は、甘くロマンティックになりますので、ガラリと雰囲気が変わりますよね。もちろん、それも素敵ですよ!
あくまで個人の好みによりますが、アップテンポにサックスやピアノ、ギター等で聞きたいと思う曲です。
実際に、ロンドンのセッションでは、インストで聞くことがほとんどです。
チャーリー・パーカーのヴァージョンは有名ですよね。
こちらはキース・ジャレットのヴァージョンです。
一人で魅せるジョー・パス、さすが!の一言。
ヴァースから歌うのも粋!
もちろん、ヴォーカルの名盤も数多く存在します。
「All the Things You Are」のヴォーカルヴァージョンといえば、やはりエラ・フィッツェジェラルドのヴァージョンが有名です。
エラをはじめ、偉大なジャズヴォーカリストが多数の名歌唱を残していますが、個人的に好きなヴォーカルヴァージョンとして、カーメン・マクレエの1957年録音もおすすめです。
ミュージカルから生まれたスタンダード曲には、テーマに入る前に歌われるヴァース(Verse)というものがありますが、「All the Things You Are」のヴァースは、現在ではほとんど歌われる事がありません。
インストもヴォーカルも、コーラスの出だしである、“You are..” の部分から入るヴァージョンがほとんどです。
「追憶」で有名な女優兼歌手であるバーブラ・ストライサンドの録音に、ヴァース歌唱しているものがあります。
ドラマティックで美しいですよね。
ヴォーカルの方は、ヴァースから歌ってみると「粋」な演出ができるかもしれません。
もちろん、楽器でヴァースから奏でて入るのも、少し差をつけた大人でクールな演奏ができそうですよね。
Coolish Musicのオンラインレッスンでは、ジャズセッションのテクニックを学ぶ事も出来ます。
お気に入りの一曲を課題に、セッションに向けて練習してみませんか。