『海外の音楽風景』ロンドンのジャズセッション人気曲②
海外の音楽風景として、イギリス・ロンドンのジャムセッションの様子や、ジャズセッション会場で必ず一日に一度は耳にする人気の高い曲をご紹介しています。
今回ご紹介する、セッション人気曲はこちら。
“’Round Midnight ”
Composer:Thelonious Monk
偉大なジャズ・ピアニストであり、コンポーザーであるセロニアス・モンクの名曲です。
好きなスタンダードとして、この曲をあげるジャズミュージシャンはとても多いのではと思います。
この曲の誕生は、1940年か1941年と言われていますが、Harry Colombyという人物による主張では、1936年頃にはすでに原型が作曲されていたとのことで、その頃モンクはなんと若干19歳。
初録音は1944年、トランペット奏者のクーティ・ウィリアムスによって演奏されました。
モンク自身が録音をしたのは後の1947年になります。
こちらがクーティ・ウィリアムスによる「’Round Midnight」の 1st レコーディングです。
こちらはセロニアス・モンク録音の作品です。
以降、モンクは生涯この曲を幾度と録音しているほか、ジャズミュージシャンのコンポーズ作品としては最多の録音がされてきた曲であり、多くのジャズミュージシャン達に演奏されています。
そして、1953年に「モダン・ジャズの帝王」マイルス・デイヴィスが「’Round Midnigt」をレコーディングします。
こちらのヴァージョンは、1956年にリリースされたスタジオアルバム「Collector’s Items」の3曲目に収録されています。
マイルスがコロムビア・レコードに移籍直前の、Prestige Records時代最後のスタジオアルバムであり、1曲目~4曲目は1953年にニューヨークで、5曲目~7曲目は1956年にニュージャージー州のハッケンサックで録音されています。
ヴォーカル人気の高いジャズソング
また「’Round Midnight」の独特の雰囲気、複雑かつ美しいメロディーラインは、ヴォーカリスト人気も高い曲です。
ロンドンの歌姫達も、セッション会場に出かける際には、この曲の楽譜は必ず持参しています。
「これを歌えれば一人前!」とばかりに、誰が「’Round Midnight」のヴォーカルを取るか、争うようにセッションに挑戦していますよ。
有名なところで、ジャズ・ヴォーカルの女王、エラ・フィッツェジェラルドが1961年に録音し、後も数多くの名歌唱を残しております。
誰もがレパートリーに加えたいジャズソング
「’Round Midnight」は日本でもファンの多い曲ですが、やはり世界中のジャズミュージシャンにリスペクトされている名曲だけあり、ロンドンでもファンが多いんですね!
また、セロニアス・モンクはロンドンのロックミュージシャン達にもリスペクトとして名前をあげられる事の多い奏者であり、コンポーザーです。
世界のどこでも演奏すれば喜ばれること間違いナシの曲なのです。
ただ、初心者がセッションでトライするにはやや敷居の高い曲ですよね。
ステージに備えて、練習してマスターしておきたいですよね!
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「’Round Midnight」をレパートリーに加えてみませんか。
次の記事では、サックスソロがクールに決まる、アノ曲をご紹介します。