トロンボーン中級者に勧めたいバストロンボーン 魅力編
中音域を担当し、陰でおいしいところをさらっていくトロンボーン。
そんなトロンボーンの中にも主に使われるものには種類があるのをご存知でしょうか?
大きく2つに分かれ、1つは通常のトロンボーン(テナー)、もう1つはバストロンボーンです。
実は後者のバストロンボーン、トロンボーンとは違った奥深さがあります。
今回はそんなバストロンボーンの魅力を全3回に分けてご紹介します。
バストロンボーンの魅力
バストロンボーンは、基本的な構造はトロンボーンと同じであるものの、ボア(管径)とベルが通常より大きく、低い音が鳴りやすいトロンボーンです。
また、通常のテナーバストロンボーン(正式名称:F管アタッチメント付きテナートロンボーン)のF管ロータリーに加えて、G管やE♭管のロータリーがついているものもあり、低音の操作性がアップしています。
低音が出る優越感
バストロンボーンは普通のトロンボーンと比べて、やはりその低音に優位性があります。メロディとしては目立たなくても、バストロンボーンだけの動きがあったり、そもそもパート譜がバストロンボーン専用だったりするので、自分だけの仕事ができる優越感があります。
そのため、バストロンボーンはトロンボーンの中でも裏の目立ちたがり屋が集まりやすく、バストロンボーン奏者としてそれぞれが誇りを持っています。
ロータリーの多さ
バストロンボーン特有の低音を出すためにつけられたのが、普通のトロンボーンにはない2つめのロータリーです。
普通のトロンボーンには最大でも1つのロータリーしかついていませんが、バストロンボーンには2つ目がついていることが多く、これにより低音へのいろいろなアプローチができます。
管の種類の数だけ管の長さが変わり、単純に音程操作に使用するだけでなく、音色まで変化させることができます
種類によっては2つの同時使用ができるので、使用しない時を含めて実質4つの管で音色が自由自在になります。
引き込まれるマイルドな音
バストロンボーンの音の魅力はその引き込まれるような美しいマイルドさにあります。
もともと美しい教会音楽の中で重用されていたトロンボーンの音色に、低音の響きがより加わることで深みが増したのです
バストロンボーンの基本の構造は普通のトロンボーンと変わらず、音域も奏者の腕次第で同じにできるので、トロンボーン以上に深い高音域を実現することが可能です。
バリバリした激しい音
一方でバストロンボーンはバリバリとした激しい音も得意です。
このバリバリとした低音は、はっきりした主張と同時に、バンド全体の低音の豊かさと迫力の手助けができる音です。
少し間違えれば汚い・主張が激しいといわれる音ではありますが、普通のトロンボーンの低音では決して出せない厚みと主張ができるのがバストロンボーンの魅力です。
まとめ
どうでしたか?バストロンボーンにもトロンボーンと違うたくさんの魅力があります。
特に目立ちたくないけど目立ちたい人という少し矛盾した気持ちを持っている方にもお勧めな楽器な楽器です。
とはいってもまだまだ分からない方も多いと思うので、次回はバストロンボーンが活躍する曲をご紹介します。
ぜひご覧くださいね。