その3(最終)

そして挑んだ東京マラソン。前日までの天気予報とは違ってレース1時間前から冷たい雨が降り始めた。
約1時間前から指定場所に並んで、ただただ雨の中じっと我慢して立っていた
途中で帰りたくなる気持ちもあったが、そんな時応援してくださっている人のことを思うと完走して東京マラソンの事を話したいという強い気持ちが私の心の中に蘇ってきた。

そして遂にスタートの時が来た。
今の体力に合うペースはよく分かっている。
前半が終わった時に全く疲れていないことが大前提だった。
ペースは守れたけれどもこの日は1時間前から雨の中に立っていたこともあってトイレに行きたくなった。
しかし行くと長蛇の列。
これに並んだら20分はロスをするそんな状況だった。
でも行きたいでも並んでいられない。
そこでトイレに行きたいのは勘違いと思ってまた走り始めた
そんなことが3回あった。
そして25 km 地点で我慢できなくなって並んでトイレに入った。
3回の迷いと1回のトイレとこれでタイムは大幅に食われていた。
2017年の時は天気も良くてトイレもあまり行きたくなくて、30キロの時に1回だけただけだった。

レースの前々日、金曜の夜ゼッケンの引き換にお台場に行った。
そして前回と同様、完全完走を誓って書き込んだ。 完全完走とは、歩かないと言う自分で決めたルールです。
体力はない練習はしていない、ただサックスで鍛えた 肺がある。こんな自信だけが私にあった。
そして当日。寒い中走り始めて途中でやはり足が痛くなってきた。
前回は30キロを過ぎてだったが、今回は20 km 過ぎた辺りで始まった。
それは練習不足だと実感した。
やはり来たかという気持で、最後まで行けるかどうか不安に思った。
そんな時、応援してくださる方の顔が浮かんだ。
そして、最後まで走るんだということを強く思い、皆さんに後押しをしてもらった瞬間だった。
30 km 超えて35キロを超えたあたりに、そんなに疲れていない自分の体がある事が分かった。
とても不思議な気持だった。
よく言われるのは、この時点になると苦しくなって足が止まってしまうのです。
周りを見ると
歩く方も増えて来るその中、練習不足で筋力は落ちているけれども、体はそんなに疲れていなかった。
実は、その前にランニング用ウォッチが誤動作をして、今までの走行時間が分からなくなっていた。
1 km ごとのラップは確認ができたのでそれだけを頼りに走っていたけれど
トイレのこともあり少し遅れていることを実感していた。
5時間は切りたいと強く思った。
今はタイムが遅くなっている。でも体はそんなに疲れていない。
そこでベースをあげようと思った35 km 過ぎてあと 2 km
ここでペースを思いっきり上げた。
40 km 走ってこんな事ができるなどとは、レース前は全く考えていなかった。ありえない事。
ひたすら走った。40 km 走った人間とは思えないくらいに走った。
後で記録を見たんだけれど35 km 過ぎてからゴールまでに1000人ほど抜いている
そんな結果が残っていた。
歩く人も多く出ていてペースも落ちる。これが普通なんだと、周りの人はそんな状況だった。
そんな中、私を含めた数人が思いっきり走ってるではないか。
とても不思議な体験だった。
そしてゴールした遂に東京駅を背に皇居に向かったゴールを両手を挙げて完走した。
2017年の時より疲れが軽い。
勿論、疲れているけれど前回とは違う、そう思った。
この感じ方は異常なのだろうか、おかしいのだろうか。いや、私はそうは思わない。

音楽仲間の間で、最近よく私が言ってることがあるのです。
サックスで息を吐くこと、これは体を健康にしてくれる。そういうことをやっているんだといつも言っている。
音楽仲間ではその事はもう有名な話になっているほどなのです。
そしてそのことを今回強く感じてそれが確信になった。

それが、2019年、私の東京マラソンだった。